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緊急事態宣言の全国適応と当院の新型コロナウイルス対策

[2020.04.18]

新型コロナウイルスの感染拡大が毎日報道されています。

この話題について前からブログを書きたかったのですが、ゆっくりブログを書く余裕もないほどに、状況が目まぐるしく変化しそれへの対応に追われていました。

クリニックでは2月のあたりでは例年のインフルエンザ時の対応と同じように、熱がある患者さんは点滴室でやすんでもらってそこでいつも通りの診察をしていました。このころはクルーズ船と武漢からの旅行者を注意するだけで良かったのですが徐々に海外を中心に様子がかわっていきました。

2月末に、政府から学校休校の指示がでました。これは今思えば当然やるべきことだったし感染拡大の勢いをそれなりに抑えたと思います。

3月に入って衛生材料の追加確保が非常に難しくなりました。在庫はあるけど追加で入る見込みがないという状況です。ここから通常の仕入れ経路では難しいと判断しネットなどで1ヶ月先に入荷するものを大量に発注しました。このころから患者さん全員の手指消毒を開始しました。

3月前半の時点では奈良はまだ大丈夫、そこらへんを歩いていて感染する状態ではないと説明していました。

感染拡大の勢いが明らかに変わり始めたのは3月の第3週です。そして志村けんさんの逝去、これがあきらかに病気の深刻さを軽視していた人々の気持ちを変化させました。

この時点で東京・大阪は潜在的感染者が大量にいると判断し、大阪の隣の奈良にもいつ広がってきてもおかしくない、猶予はほとんどない!と考えました。すぐに患者さん全員の検温を開始、かなり厳しくラインを設定し熱がある患者さんは発熱外来でみることを徹底しました。点滴室のレイアウトを大きく変更して発熱外来を設置し、感染の可能性のあるゾーンを設定、そこと通常の外来・処置室などとの物品の移動をなくしました。来院患者さんに熱があったときのフローチャートを作成し、スムーズな患者さんの移動をサポートしています。

発熱、感冒症状での受診は事前連絡を必須としました。電話であっさり断るだけということは絶対にしません。必ずどう行動するべきかを状態を聞いて説明し、必要であれば指定医療機関を受診できるように手配しています。

4月に入り全国民の予想の1週間遅れで緊急事態宣言が出されました。

緊急事態宣言をどう解釈したらいいか、「誰もが新型コロナウイルス感染を起こしていてもおかしくない状況」と理解してください。自分を含めてです。マスクについては、自分を守るための力は少ないので症状がなければ屋外ではマスク不要と私も少し前まで説明していました。これはみなさんが感染者ではないことが前提の話であり、今とは状況が異なります。いまは全員がコロナかもしれないと想定して行動するべき状況です。だから全員マスクが必要です。厚生労働省からの通達で、医療機関でコロナ患者が出たとき、その患者がマスクをしているかしていないかで接触した人の曝露リスクが1段階変わるとの発表がありました。これらを受けて4/18から当院では全患者さんにマスク着用をお願いしています。前もって説明する余裕もなく、大変申し訳ありませんが、なければクリニックから購入してもらいます。数には限りがありますのでどんなマスクでもいいので付けてください。

症状がなければ自分はコロナじゃないのでは?これも間違いです。濃厚接触者の検査で無症状での陽性が多数でています。さらに感染力が一番強いのは発症する2日前から発症当日にかけてという驚くべき報告や、感染者の半数は発症前に人に感染させていたという報告もあります。つまり症状がなくても人にうつす可能性がいくらでもあるのです。

不安をあおる発言ばかりでは仕方ないので対策です。

まずクリニックの対策です。医療機関に行くのは安全ではありません。でもこれは不要な外出ではありません。できる限りの対策をする姿勢でスピード感をもって動いています。これからも状況にあわせて対応していきます。

上記以外の当院の感染対策の例(細かいことは書き切れないほど多数あります)

・6月から時間予約制を開始します!

・全スタッフのアイシールド着用を開始しました。

・受付に飛沫感染対策のビニールシートを設置しました。

・待合の本、雑誌を撤去しました。

・本当の緊急時に備えて来院しなくても診療が成り立つような準備をしています。

・待合の椅子の座る場所の間隔をあけました。

・診察台のシーツを撤去しました。

 

次はみなさんの対策です。

これは個人を超えて日本全体で新型コロナウイルス感染を収束させるための対策です。

まず個人の感染予防

1.手指消毒。これはなによりも重要です。

2.手指消毒の直後を除いて顔に手を持っていかない。

3.余計なところに行かない。世間でよく言われている3密(密閉、密集、密接)の回避です。

次に自分が感染を広めないために

1.症状があれば絶対に会社を休む。症状がなくなるまで休む。できれば症状がなくなって72時間待って自宅療養を解除する。家族が症状がでたときは会社に報告する。

2.症状があって医療機関を受診するときは必ず事前連絡をする。

3.マスクをする。

新型コロナウイルスの流行が今後どうなっていくかは数々の試算がなされていますが、簡単に完全に収束する見込みは乏しいです。過度に心配しても仕方ありませんが、警戒心がないのもいけません。自分にできること、自分がやらないといけないこと(やってはいけないこと)を考えて行動していきましょう。

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