健康診断は受けるべき? その①健診の役割とは
予防医療の柱のひとつである健康診断ですが、受けるのが当たり前だと思っていませんか?
その当たり前を見直してみたいと思います。
シリーズで3回に分けてブログにしていきますが、結論が気になってしまうと思うので先に結論を出します。
「かかりつけ内科があれば不要!」
かかりつけ内科がない人にとっては、検査項目などいくらか問題がありますが、現状では受けてもらうしかないでしょう。
ではその結論に至る解説をしていきます。
まず健康診断の役割です。
予防医療の世界では、一次予防 二次予防 三次予防という分け方があります。(ちなみに、私は今まで予防医学という言葉を使っていましたが間違ってはないものの予防医療といったほうがより実践的なものをイメージできるので変更しました。)
一次予防は病気になることを防ぐこと
二次予防は早期発見して早期治療につなげる、または進行を防ぐこと
三次予防は再発を防ぐこと
となります。二次予防は病気を予防するという意味合いは少ないのですが重要な予防医療です。
脳梗塞や心筋梗塞のようなイベント型の疾患では本来の二次予防の状態がないため、再発予防という意味で二次予防という言葉が使われることがあるため混乱しやすく注意が必要です。
健康診断の役割は、異常の発見から治療につなげることにあるので、基本的には二次予防です。そして調べている疾患の中心は生活習慣病です。生活習慣病の管理は脳卒中、心筋梗塞の一次予防となるためそういう意味では健康診断には一次予防の役割もあります。また肥満やメタボリックシンドロームを見つけて生活習慣指導することは生活習慣病の一次予防となります。
当たり前ですが受けるだけでそれを評価して行動につながらなければ何の意味もありません。
企業健診の場合、義務があるから実施しているだけで働くことができる状態であることを確認して終了、と予防医療的な意義がほとんどなくなってしまっていることがあります。何かひっかかっている場合は是非相談にきてもらいたいところです。
ということで、健康診断の役割は、症状のない病気(代表的なものが生活習慣病)がある患者をみつけて管理し、将来のリスクを下げようということが中心と言えます。
この役割から言うと、すでにかかりつけ内科がある人にとっては受けるメリットが少ないことが分かるのではないでしょうか。
その②健診の対象は?
その③健診の項目は?
とつづく予定です