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会社や学校からの「病院行ってこい」への注意点と「お正月の帰省どうすればいいの?」について

[2020.12.14]

奈良県新規感染者数

まさに第3波まっただなかといった感じです。第3波は第1波2波の流れであればここくらいから頭打ちして減少していきそうですが、冬というコロナにとって活動しやすい時期におなじような動きをしてくれるか心配があります。また、ワクチン接種が海外ではじまりましたがこれもまだまだ私は意見を言える状態ではありません。

我々も発熱外来認定医療機関として日々地域医療に貢献しようと取り組んでいます。繰り返し説明しておきますが、通常の定期受診の患者さんが発熱外来目的で来院する患者さんと接触することは一切ありませんのでご安心ください。

まず、発熱外来の患者さんは院内に入ることはありません。スタッフとの接触も全くありません。検査する医師は完全な感染防御装備をしたうえでごく短時間接触するだけです。熟考して安全な検査の流れをつくっているので自慢して提示したいくらいですが、差し控えておきます。

発熱外来への問い合わせの中でよく聞くのが学校や職場からとにかく病院を受診してこいという指示を受けての相談です。

こちらとしては何を目的に病院を受診するよう指示を出したのか確認したいです。それによってこちらも対応が変わってきます。PCR検査をうけてこいということなら対応は簡単です。ぱっと診て症状も軽いしコロナでないから出勤していいという診断書をもらってきてというケースがありますが、そういった診断書を書く医師はまずいません。PCR検査をしたとしても基本同じです。陰性証明というものを誤解されている方がいますが、検査結果が陰性であることを証明しているだけでコロナではないと証明しているわけではありません。ただそれしか現在コロナに感染している可能性が低いことを示す方法がないため現実的にはコロナではない証として海外渡航などに利用されています。

よくあるのが早期復帰するために受診をというケースです。医療者側としては職場復帰などの判断を任された場合、安全策をとります。これは発症から1週間の自宅療養です。症状が長引いているのであれば症状がおさまって3日経過するまで自宅療養です。そしてPCR検査が陰性であってもこちらの推奨としては短縮しません。医療機関を受診することで職場復帰が早くなることは基本的にない、ということを理解してもらう必要があります。熱がでて受診したら明日から職場復帰できるなんてことは絶対にありません。ですから病院受診の目的は、早期復帰のためではなく、コロナ陽性患者をみつけること、コロナ以外の治療が必要な病気をみつけること、より安心して自宅療養がおわったあとに職場や学校に戻れることであると私は考えています。

とにかく今は熱がでただけでどうしたらいいか分からなくなりやすいです。個人もそうですし会社側としてもそうです。37.5℃がでたけど数時間ですぐ下がったとかあいまいなケースもあり、フローチャートを作ってもそのとおり動けない状況もでてきます。かかりつけが他にある方はまずそちらで相談していただきたいのですが、我々に相談があれば個々の状況にあわせて方針を相談させていただいております。

次にかかりつけ患者さんからは年末年始の帰省についてよく質問をうけます。もしここからの2週間で一気に収束にむかえばいいのですが、現状手放しで帰省問題ないですよとは言えません。ただダメだともはっきり言えません。大阪や東京からというのは一段階ハードルが上がります。

帰省の問題点はシンプルに

①自分たちが帰省先にコロナをもちこむ(道中感染を含む)かもしれないこと

②帰省先でコロナにかかるかもしれないこと

のふたつです。

①への対策は、当たり前ですが症状があれば帰省しないこと、感染疑う状態ならキャンセル料がなくなる方法があるようなので調べてください。帰省前から感染対策をする、2週間前くらいからでしょうか。移動手段や移動の日時を選ぶ。などがあげられます。

②への対策は、3密を避ける、マスクをするという基本に従うことですが、ポイントをあげるなら宴会をしないことです。お鍋をつつく、わいわいと楽しむ、帰省の醍醐味ですが、あぶないです。自分のおはしで料理をとらない、生活をともにしない家族との集まりの場ではマスクをする、高齢者との接触時はかならず消毒、マスクなど感染対策をとることが必要です。

こんなことを気にしていたら帰省が楽しめないという意見ももっともだと思います。私も医療者でなければ、帰省中にこんなこと守ってられないと思うかもしれません。ただ、帰省を後悔するようなものにしないために、特に高齢者やリスクの高い人と接するときだけでも注意を払ってもらうようお願いいたします。

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