睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)は、睡眠中に呼吸が何度も止まったり浅くなったりする病気です。
特に多い閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)では、睡眠中に喉が狭くなり空気の通り道が塞がれることで無呼吸が起こります。
無呼吸になるたびに血液中の酸素が低下し、脳が何度も覚醒するため、十分な睡眠がとれません。その結果、日中の眠気だけでなく、高血圧や心臓病など様々な病気の原因になります。
睡眠時無呼吸症候群は日本でも非常に患者数が多い一方、自覚症状が少なく見逃されている方も少なくありません。
高血圧・心臓病との深い関係
睡眠時無呼吸症候群は、単なる「いびき」の病気ではありません。
睡眠中の低酸素状態が毎晩繰り返されることで交感神経が過剰に働き、心臓や血管に大きな負担をかけます。
睡眠時無呼吸症候群と関連が強い病気
- 高血圧(特に治療しても下がりにくい高血圧)
- 心不全
- 心房細動などの不整脈
- 狭心症・心筋梗塞
- 脳梗塞・脳出血
- 糖尿病
- 肥満
高血圧との関係
睡眠時無呼吸症候群の患者さんでは高血圧を合併することが非常に多く、薬を飲んでも血圧が十分下がらない「治療抵抗性高血圧」の原因としても知られています。
CPAP治療により夜間の無呼吸を改善すると、血圧が改善する患者さんも少なくありません。
心不全との関係
睡眠中に繰り返す低酸素状態は心臓への負担を増やし、心不全の発症・悪化につながります。
また、心不全患者さんでは睡眠時無呼吸症候群を合併している割合が高く、適切な治療によって心不全のコントロール改善が期待できます。
不整脈との関係
睡眠時無呼吸症候群では、心房細動をはじめとする不整脈が起こりやすくなります。
特に心房細動では、睡眠時無呼吸症候群を治療することで、カテーテルアブレーション後の再発率を低下させることが報告されています。
循環器疾患をお持ちの方は、一度睡眠時無呼吸症候群の検査を受けることをおすすめします。
睡眠時無呼吸症候群の原因
- 肥満
- 首周りが太い
- 下あごが小さい
- 扁桃肥大
- 加齢
- 男性
- 飲酒
- 睡眠薬
- 鼻づまり
痩せている方でも骨格が原因となり発症することがあります。
睡眠時無呼吸症候群の症状
- 大きないびき
- 睡眠中に呼吸が止まる
- 家族から無呼吸を指摘された
- 日中の強い眠気
- 朝起きても疲れが取れない
- 朝の頭痛
- 夜間頻尿
- 集中力・記憶力の低下
- 居眠り運転をしそうになる
- 起床時の口の渇き
「いびきがひどい」「寝ても疲れが取れない」「昼間眠い」と感じる方はもちろん、高血圧や心房細動、心不全などで治療中の方も、睡眠時無呼吸症候群が隠れていることがあります。
診断
当院ではご自宅でできる簡易睡眠検査を実施しています。
睡眠中にセンサーを装着していただくだけで、呼吸や酸素濃度を測定できます。
必要に応じて精密検査(終夜睡眠ポリグラフ検査:PSG)が必要な場合も、自宅でできる検査を手配することが可能です。
治療
症状や検査結果に応じて最適な治療をご提案します。
① CPAP(シーパップ)療法
中等症から重症の睡眠時無呼吸症候群では、CPAP療法が第一選択です。
CPAPは睡眠中に空気を送り込み、喉が塞がるのを防ぐ治療です。
期待できる効果は
- いびきの改善
- 日中の眠気の改善
- 睡眠の質の改善
- 血圧改善
- 心不全悪化予防
- 心房細動など不整脈の再発抑制
- 心筋梗塞・脳卒中リスクの低減
などが期待できます。
② その他の治療
- 減量
- 禁煙
- 飲酒の見直し
- 睡眠姿勢の工夫
- マウスピース治療(歯科と連携)
- 耳鼻咽喉科での治療(必要時)
当院で睡眠時無呼吸症候群を検査・治療するメリット
当院は循環器内科として、高血圧・心不全・不整脈などの循環器疾患と睡眠時無呼吸症候群を総合的に診療しています。
「血圧がなかなか下がらない」「心房細動を繰り返している」「心不全で入退院を繰り返している」といった方では、睡眠時無呼吸症候群が原因となっていることがあります。
当院ではご自宅で行える睡眠検査からCPAP導入・定期フォローまで一貫して対応しています。いびきや日中の眠気が気になる方はもちろん、高血圧や心臓病で通院中の方もお気軽にご相談ください。
